「あって〜?おかしいなー…」


ラドラス城で が困ったような声を上げる。


「どうしたんだい ?そんなおかしな顔をしてさ。」


そこへ偶然(必然)、サレが通りかかった。
その顔は「待ってました」と言わんばかりの顔をしてる。


「いやね、今日の晩御飯はステーキにしたいって要望があったんだけど。」

「ふぅん。それで?」

トーマが見つからない。」


ちょい待ち、トーマを食う気か!!?


・・・。もしかしてトーマをステーキにする気なの?」

「もしかしなくてもそうだけど?」

「止めたほうがいいよ。あんな腐った牛肉食べても美味しくないって。」

「ちょっと待てーーーー!!!!」


とサレがトーマをステーキにするか否か話している途中、
なんと牛のバイラスがこっちに向かって突撃してくるではないか。
とサレは冷静に剣(レイピア)を構える。








グサッ








「ゴファ!!!」


牛のバイラスを瞬殺した。


「おーい牛のバイラスとは何だ!!?牛のバイラスとは!!!!?
 俺にはトーマっていう自慢の名があるんだよーー!!!!」

「それ自慢?」

「昔テレビで見た機関車の名前に似てるじゃん。」


牛のバイラスと言われたことに腹を立てるトーマに
とサレは追撃の毒舌を浴びせる。


「で?トーマは何しに来たの?」

「そうだった!!流石は だ、俺の心を見透かしている。」

「五秒以内に解決に言わないと腹から爆発させるよ?」

「サレ!!俺が腐った牛肉というのは聞き捨てならんぞ!!!!」


どうやらトーマはサレの言った「腐った牛肉」という点が気に入らないらしい。
しかし、自分が牛肉と言うあたりは否定してない。否、できない。


「脳みそまで筋肉でできてそうな牛肉を食したって美味しいわけないよ。」

「美味い不味いは別だ!!!腐った牛肉とは何だ!!!?」

「見た目がキモいから。」

「サレ!!貴様!!!!」


今にも戦闘が始まりそうだが戦闘が始まる前から既にサレがトーマを押していた。
例えトーマが突撃してきたとしても返り討ちが関の山だろう。


「盛り上がってるとこ悪いんだけどねぇ。」

「「ん?」」

「結局、トーマはステーキにしない方がいいのかな?」

「「当たり前だ!!!」」


サレはトーマのステーキなど食べたくないらしい。
トーマはステーキになりたくないらしい。
二人の意見が言葉であったのはこれが初めてかもしれない。


「あ、でも には食べられてもいいかも・・・。」

「サレ、ラズベリーグミがもう少しできれそうだよ。」

「本当かい?それは困ったなぁ・・・。」

「聞けよおい!!!!」


自分が必死で告白してるのに二人は全く関係ない話に移っている。


「でもおかしいな。ちゃんと多めに支給しといたはずなんだけどねぇ。
 ざっと五年分ぐらい・・・。もしかして が食べたとか?」

「私はラズベリーグミなんか食べないよ。食べてるの多分サレぐらいじゃない?」

「じゃあトーマかな?」

ギクッ・・・。い、いや、そそ、そんなことはないぞぉぉお」


どうやらトーマがサレのラズベリーグミを食べたらしい。
それも五年分・・・。
サレはレイピアを再度構えなおした。


「ま、待てサレ!!!俺じゃない!!!」

「まだ言うかなこの口は。
 僕は半径10km以内のラズベリーの香りぐらい感知できるんだよ。
 目の前の牛のバイラスの臭い口の中から微かにラズベリーの香りがするんだよ。 
 こんちくしょうがぁあああ!!!!



トーマはまるで鬼でも見たかのように全力で逃走しはじめた。
サレは物凄く黒い笑みを浮かべながらトーマの後ろを追いかけている。


「うーん、晩御飯のステーキの要望どうしよう・・・。全兵を招集して狩りにでも行こうかな。


さらっと物凄い発言をしている
あなたはミルハウストより地位が上なんですか!!!?


「ミルハウストは二つ返事で動いてくれるだろう。
 ユージーン体長はまぁ脅せばなんとか・・・。」


おい!!!


「あー!! だー!!!」


ドゴッ


後ろから物凄い衝撃を受ける
かろうじて倒れはしなかったがかなり痛そうだ。


「マ〜オ、な〜んど後ろからタックルするなと言ったら分かるのかな?」

「これが僕の愛情表現だヨ。」

「そんな痛い愛情表現いらないって。」

「ぶ〜。」


マオは口を尖らせながら から離れる。
かなり名残惜しそうに。


「ユージーン体長は何やってるんだか・・・。」

「ユージーンならさっきフォルス訓練中に
 バーンストライクを食らっちゃって気絶してるヨ。」


気絶してるよってそんな簡単に・・・。
しかもバーンストライクって犯人あなたじゃないですか!


「ほらマオ、ユージーンのお見舞いに行ってきなさい。」

「えー何で僕がユージーンごときの・・・。

「当の本人がお見舞いもとい謝りにいかんでどうする。
 早く行ってきなさい。」


ブツブツ文句言いながらもマオは診療室へ向かっていった。
その文句の中に、「毒りんごでも持っていこっと。」と言う言葉があったが気のせいだろう。





































その後は珍しく何事も無く。
はミルハウストを通して牛狩りに行かせて狩った牛を調理していた。


「しっかし思ったより量があるなー。」


そう、牛の数はとてつもなく多かった。
ぱっと見ただけでゆうに200匹はいる。


「何でもミルハウスト将軍が一人で100匹は狩っていたそうです


あんたは牛を絶滅させる気か!


「ふーん、ミルハウストの頭は牛と同レベルってことか。
 ということは自動的にトーマと同レベルと。」


それはどうかと思うが・・・。


「あ、残った牛は厳重にロックしといてね、トーマ辺りが夜食に共食いしに来るだろうから

「了解。」

「さーて、早めに仕上げよっと。」





































「うん、美味しい。」


日が暮れ夜になりはじめたころ牛肉料理が完成して
城の中や外ででささやかな(でも実際豪華)なパーティが始まった。


「流石は とその他どもが作っただけありましてとても美味しいですわ。」


牛肉料理にアガーテは大満足。
他の者達もワイワイ声を上げながら料理を食べている。


「んー、予定も無いのにこんな豪勢なパーティが始まるなんて
  は魔法が使えるみたいだね。」

「そんなもん使えるわけないでしょ。
 実際私もこうなるとは予測してなかったし。」


そう、城の中のものはおろかバルカの住民や他の町のものまでいたりまする。
流石にこれは多すぎだろう。


「そういえばサレ、結局あの後トーマどうなったの?」

「ん?」

「昼間トーマと命を賭けた鬼ごっこやってたじゃない。


あぁ・・・あれかぁ。とサレは呟く。
その後、少し間をおいた後急にサレがククッと笑い出した。


「あの後、トーマに追いついて串刺しにして
 ウィンドエッジで引き裂き
 ガスティーネイルでズタズタにしてやったよ。」


サレは顔を上に向けて笑い出した。
周りの人間がこれを見れば発狂した変人と見るだろう。
見られても文句言えないが


「ふーん、そうは見えないけどなぁ。」


がそう言って料理が並べてあるテーブルの方を向く。
そこにはトーマが牛肉料理を食べている人を押しのけ
自分一人で独占しようとしてる姿があった。
周りの人は生きてる牛がぁああああとか言っている。


「やれやれ、全然懲りてないようだね。」

「あそこまでして共食いしたいものなのかな。

「ん?おおおおおお! が俺を見つめている!!!」

「なんか激しく勘違いされちゃったみたい。」


トーマは の視線に気づき
変な勘違いをして に向かってつっこんできた。
はポケットの中からナイフを出そうとするがその前に


「楽には殺さないよ〜シュタイフェ・ブリーゼ!!!」


サレの技が決まった。


「グォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」


トーマは切り刻まれさらに空へと飛ばされた。
そこへ


グサッ ザシュ ズドッ


「ゲブァアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


が投げたナイフが刺さる。
しかもよく見れば剣やら槍やら刺さっていた。
よく見ればそれはミルハウストの剣ユージーンの槍であった。
既にトーマは虫の息、そこへ


「デッドリーバースト。」


が止めの一撃を放った。
トーマは白い目を向けて気絶した。
周りのものはトーマの死体を放置し(踏んでた方もいた)
再度料理を交わし始めた。


夜は長い。





































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テイルズオブリバース、記念すべき第一弾。
初っ端からドタバタ騒動になってしまいました。
うーん、でもトーマって本当に不味そうだよ。
言っちゃ悪いけど不味いでしょあなた?
ふむ、まぁその辺は置いといて☆
テイルズオブリバース、略してTOSを
ご朗読いただき有難うございました。
次回もお楽しみに〜。
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