「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・。」

「・・・・・・・・・?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・どうしたの ?俺の顔になんかついてる?」

「え?あぁ、気にしないで何もついてないから・・・。」


といい顔を逸らす
現在位置は陰陽寮。陰陽師見習いとして今日も雑用をこなしていた。
が、いつもは手馴れた手つきでせっせと雑用をこなす だが
何故かじっと昌浩の顔を見つめていた。


「?・・・何か悩みでもあるの?」

「い、いやそういう訳じゃないから。」

思いっきり顔に出てるぞ。何かあるんだな?」


心配そうにしている昌浩にそれを必死に否定しようとする
が、虚しくも顔に出ていたため物の怪に見破られていた。


「やっぱり悩みがあるの?」

の悩みと言ったらもしかしてあれか?
 あのエセ陰陽師の奴か!!!?

「だ、だから悩みじゃな・・・。」

「え?敏次殿が?それはないんじゃ・・・。」

「いーやあの野郎、 が人が良いことに漬け込んでるに違いない。」

「違うってば!!」

「うーん、俺には考えられないけどなぁ。」

「何をぅ、昌浩!お前は がどうなってもいいと言うのか!!?」

「そんなこと言ってないだろ!!!」

「ええぃ、あのエセ陰陽師め!今からこの俺が回し蹴を喰らわ・・・。」

「「やめて!!!!」」


敏次に向かおうとした物の怪を二人が全力で静止する。
物の怪は放せーと唸っているがそれを二人が聞き届けることは無かった。


「う〜〜〜、分かったからもう!話すよちゃんと。」


昌浩と物の怪の言動や行動に折れた が諦めたかのように言った。


「昨日、恐ろしい夢を見ちゃってさ・・・。」

「「夢?」」


の言葉に昌浩と物の怪は首を傾げる。
陰陽師の見る夢は特別なものがある。見た夢が現実化することもありえなくはない。


「ふーん、夢かぁ。どんな夢を見たの?」


昌浩が興味本位で に聞いた。
後で、聞かなきゃよかったと後悔することを知らずに。


「それが・・・。」

「「うんうん。」」





































「昌浩がじい様に例の手紙で絶叫する夢。」


その言葉に昌浩はピシッと固まった。
それを見て はあーやっぱり・・・。と呟く。


「・・・。別にいいだろいつものことなんだし。」


と物の怪が呟く。
その言葉に昌浩の封印?が解けた。


「よくないよ!!手紙が来るのが分かってるなんてメチャクチャ怖ってば!!」

「だがいつものことだろう?そしていつものように絶叫して終わる。」

「うるさいよ物の怪もっくん!!あー今日はじい様に何と言われるんだ・・・。」

「もっくん言うな!!」


昌浩と物の怪の会話を見ているとやはり言わなければよかったと今一度思った だが後の祭り。
何もないことを祈りつつ雑用を再開していった。





































「ほう、そんな夢を見たのか。」

「うん・・・。」


雑用が終わり安倍邸に帰宅した は勾陳と一緒に洗濯物を畳んでいた。
そして畳みながら見た夢と今日の出来事を勾陳に話していた。


「まぁ、あの晴明のことだからな。ありえないこともないだろう。
 というかいつものことだ

「ははは、もっくんも同じこと言ってたよ。」


二人は笑いながら洗濯物を片付けていく。


「しかし、 はその手の手紙をもらった事は無いのか?
 あの晴明のことだから一度は送ったことがあると思っていたのだが。」


その言葉に はうーん、と唸る。
しばし唸った後


「実はね一回だけあるんだ、もらった事。」

「ほう。」

「もしかして、聞きたい?」

「そうだな、興味ある。」


勾陳の反応に はしばらく考え込んだ後
結局話すことになった。


「3年くらい前、丁度10歳ぐらいの時かな。
 そのある日、僕は調伏に行ってたんだけど、
 ちょっと焦っちゃって調伏に失敗しちぁったことがあったんだ。」


・・・おかしい、おかしすぎる。
は確かにミスを犯したことぐらいはあるだろう。
が、調伏を失敗したと言うことはあまり、否、聞いたことが無い。


少なくとも勾陳はそんな話聞いたこと無かった。
の話は続く。


「失敗しちゃった後、いつも昌浩のところに来ている手紙が
 僕のところにも来たの。それを見て宵藍は不機嫌そうな顔して隠形しちゃったんだけどね。」

「どんな内容だ?」

「えっと確か・・・
 十二神将を連れて行きながらも調伏に失敗するとは
 じい様は悲しいぞ ・・・。
 お前ともあろうものが石に躓いてこけてしまうとは・・・。
 悲しい・・・悲しいぞ よ・・・。
 じい様は心を鬼にして今まで教えてきたと言うのに・・・。用修行。
 ばーい晴明。

 だったかなー。」


・・・。そうか石に躓いてこけたのか。
まぁ何度も調伏に行けば一回や二回はあると思うが。


しかし勾陳の頭にふと新たな疑問が浮かんだ。
これは が調伏に失敗した話であって、晴明から嫌味手紙が来ないのとは関係ないのではないか。


、その話は手紙についてと関係あるのか?」

「うん、実はまだ続きがあるのこれ。」

「続き?」

「うん。」


勾陳は頭に?を置きながら話の続きを聞く。


「実はねあまり大きな声じゃ言えないんだけど・・・。





































僕が躓いてこけたのはじい様の式がわざとこかしたみたい・・・。」





































!!!!!?


予想だにしてなかった答えが返ってきた。
勾陳は から返ってきた言葉に唖然とする。


「それを知った宵藍がじい様を顔が変形するぐらい殴ったみたい。
 それからはじい様の嫌味手紙はなくなったの。」


そうか・・・。そんな過去があったのか。
知らなかったぞ。
この勾陳さえも知らされてなかったぞ。


「その後、じい様の顔が原型を留めてなかったのには流石に驚い・・・。
 どうしたの勾陳?」


が勾陳を見てぎょっとする。
勾陳は表情こそ崩れてはいないが、
怒っているのは目に見えてる、否、感じ取れる。


「あぁ、何でもないぞ。
 すまないが 、残りの洗濯物はお願いしてもいいか?」

「え?別にいいけど、どうしたの?具合悪いとか?」


その言葉に勾陳は大丈夫と言葉を返し隠形していった。
は頭に?を浮かべながらも残りの洗濯物に顔を向け畳んでいった。





































それから数分後、大陰陽師、晴明の断末魔が聞こえたと言う。





































そして の見た夢は現実にはならなかった(ならざるをえなかった)とか。





































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第二段、十二神将勾陳とのほのぼのな会話でした。
最後のほうはほのぼのなんてものじゃなかったけど・・・。
うーん、自分の中の勾陳ってこんな神将に見えちゃうんですよ何故か。
騰蛇が一番で勾陳が二番みたいですけど、
性格から言えば騰蛇は勾陳の足元にも及ばないような・・・。
ま、あくまで自分の思考ですけどね。
それではー次回をご期待くださいー。
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